2016年9月12日月曜日

こんにちは、宇都宮大学国際学部国際文化学科4年の今成麻友と申します。今回は、宇都宮大学を拠点として活動する「ハラール研究会」について紹介いたします。
2015年に設立された「ハラール研究会」。会長の友松篤信名誉教授を中心として、イスラム教徒(ムスリム)の皆さんが日本で快適に生活できる生活環境を構築するために、様々な取り組みをしています。宇都宮大学や院生、ムスリムの留学生や教職員、自治体の職員の皆さんなど、多岐に亘る分野の方々と協力してプロジェクトを実施しています。201510月には、陽東キャンパス学生食堂にハラール推奨メニューの牛丼とチキン竜田丼の導入、同年12月には鬼怒川温泉大原のテーマパーク「東武ワールドスクウェア」に、ムスリム観光客を対象とする礼拝施設の設計に協力しました。
本年9月9日には峰キャンパスの生協食堂にて、ハラール専門の食品卸商社と生協の皆さんの協力の下、ハラール食品の試食会を実施しました。生協の店舗にハラール専用のコーナーを置き、ムスリムの留学生が利用できる食品を提供するためです。生協食堂の机の上におよそ50品目のハラール食品や飲料を並べ試食し、ムスリムと日本人の学生両者に受け入れられる味かどうかを検討しました。インドネシアからの輸入品でありながら日本人の学生も好みそうな風味のせんべいやジュース、カップヌードルなど、ムスリムの人々が安心して楽しめるハラール食品がそろいました。私自身、ハラール認証された食品を一度に試す機会は初めてで、かつムスリムから人気の味や日本でめったに購入できない商品について意見を聞くことができました。

ハラール研究会では、イスラム対応をすると同時に、日本人のイスラム教やハラールについての相互理解を深めるために活動しています。私も2015年秋に加入して以来、より敏感に宗教へ関心が向くようになりました。訪日外国人が「日本は快適な国だ」と口にする姿を幾度となく目にしてきました。私自身も、日本の充実した住環境や丁寧なサービスを誇りに思うことがあります。ただ、ムスリムにとっては、日本にはまだ安心して生活を送るには未対応の部分が見られます。今回の活動で、イスラム教徒が不安を払拭して日本での食事を可能にする環境形成の第一歩に貢献できればと考えています。

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